喜ぶヴィランクの影に泣く選手あり

 15日の金曜日に、パリでヴィランクのチーム・ポルティーへの移籍が発表されたのだが、この発表をテレビで見ながら泣く人がいた。それは、リュック・ルブランである。

 リュック・ルブランと言えば、ヴィランクとはフェスティナチーム時代一緒に走っていた仲で、94年の世界戦では1位と3位でゴールしている。(ちなみに、ルブランが勝った。)

 それじゃ、ヴィランクがチームに入るから、うれしくて泣いているのかと言うと、そう言う訳ではない。それでは、なぜか?

 実は、このルブラン、99年までポルティーとの契約があったにもかかわらず、今年のメンバーに入れてもらえなかったのである。ちょっと残酷だが、ルブランは、もうチームに必要がなくなったと言う事らしい。ちなみに、この話は、去年の終わりに、はっきりとチームより言われていた。

 なぜこのような事になったのかは、良く分からないが、去年のツールでは、チームの方針とは反対に、ルブラン一人がドーピングに抗議し、エクスレバンで棄権している。

 記者会見で、スタンガ監督は、「最初の契約は、あくまで借り契約で、保証されていると言うわけではない。今年のチーム選手リストに、ルブランの名前は入れてないよ。」ときっぱり言っていた。

 99年まであったアシックスとの契約を解除して、マペイに行ったミケーレ・バルトリのような選手もいれば、このようなルブランの場合もある。契約問題は、なかなか難しい。

 それにしても、今度は、ルブランがヴィランクの立場になってしまった。このままルブランのプロ生活が終わってしまうのであろうか?ルブランの場合は、ヴィランクよりさらに深刻な問題なのである。

 

99年1月24日作成


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