SAMEDI 10 MAI 2000 

 

【クリテリウム・ドーフィネリベレ】

例年より山岳コースが厳しくなったクリテリウム・ドーフィネが、4日からフランスで行われている。

初日は、ウスカルテルのロペズ・デ・ミュナインが、アームストロングなどの強豪をものともせず、プロローグの勝利を手に入れた。今年は、すでにオーストリア一周でプロローグ勝利しており、プロローグを得意としている。「上位5位以内を狙っていたので、優勝できてとても満足している」と語った。

  プロローグ 3.6km  
1. A.ロペズ・デ・ミュナイン(スペイン、ウスカルテル) 8分56秒
2. アームストロング(アメリカ、USポスタル) 11秒遅れ
3. ヒメネス(スペイン、バネスト)  17秒遅れ
4. ツェーレ(スイス、バネスト) 17秒遅れ
5. ズベルディア(スペイン、ウスカルテル) 18秒遅れ

第1ステージは、18キロ地点で地元のグーゴがアタックし、間もなくしてカスプティス、ゲドンが追いつく。その後、シバコフ、ルフェーブルが追いつき、5人の先頭集団が形成される。この5選手は総合成績争いに関係がなかったので、一時は集団と6分以上の差を広げたが、USポスタルの追い上げで、ゴール2キロ手前の上りで、30秒差に縮められてしまった。なんとしても勝ちたいグーゴは、この上りでアタックをかけるが、ゲドンとシバコフがぴったりマークし、最後はゲドンが勝利を手に入れた。
「5人の集団は、うまい具合にローテンションができた。集団が僕たちに追い上げをかけ始めたとき、少し焦ったけどね。でも、どんな時間差でも大切な事は勝利を手に入れることだからね。」とゲドンは語った。

  第1ステージ グルノーブル〜リヨン 189km  
1. F.ゲドン(フランス、ラ・フランセーズデジュ)  4時間3分56秒
2. グーゴ(フランス、クレディアグリコル) 同タイム
3. シバコフ(ロシア、ビッグマット)  2秒遅れ
4. エチェバリア(スペイン、オンセ) 4秒遅れ
5. カスプティス(リトアニア、AG2r) 4秒遅れ
  総合成績  
1. A.ロペズ・デ・ミュナイン(スペイン、ウスカルテル) 4時間42分56秒
2. アームストロング(アメリカ、USポスタル) 11秒遅れ
3. ヒメネス(スペイン、バネスト) 17秒遅れ

第2ステージは、約60キロ地点でグーゴ他8選手の先頭グループが形成される。集団と6分差を広げるが、コース後半に2つの上りがあるので油断が出来ない。霧がかかり気温8℃の2つ目の山クロワ・ド・ショバレでソラウン(バネスト)が加速。クレディアグリコルのグーゴとフォイトとだけがついて行った。下りでグーゴが二人を離し、1ヶ月前に生まれた娘の誕生を祝って、ゆりかごポーズでゴールした。「娘が僕に翼をくれたんだ。すばらしい一日を過ごせたよ。多分こんな経験は、現役のうちで一度しかないだろう。」と、プロ6年目にして、ビッグレースの勝利を手にし、喜びいっぱいのグーゴだった。

  第2ステージ 210Km  
1. F.グーゴ(フランス、クレディアグリコル) 5時間4分51秒
2. フォイト(ドイツ、クレディアグリコル) 13秒遅れ
3. ソラウン(スペイン、バネスト) 20秒遅れ
4. モロー(フランス、フェスティナ) 20秒遅れ
5. ブロッシャール(フランス、ジャン・ドゥラトゥール) 20秒遅れ
  総合成績  
1. A.ロペズ・デ・ミュナイン(スペイン、ウスカルテル) 9時間48分7秒
2. アームストロング(アメリカ、USポスタル) 11秒遅れ
3. ヒメネス(スペイン、バネスト) 17秒遅れ

第3ステージはタイムトライアルが行われ、アームストロングがダントツの強さで勝利し、ツール・ド・フランス2連勝への準備が出来ていることを証明した。これで,一気に総合トップにおどり出た。

  第3ステージ  35,7Km  
1. L.アームストロング(アメリカ、USポスタル)  46分56秒
2. ズベルディア(スペイン、ウスカルテル) 21秒遅れ
3. ハミルトン(アメリカ、USポスタル) 31秒遅れ
4. ベロキ(スペイン、フェスティナ) 56秒遅れ
5. ミラー(イギリス、コフィディス) 1分遅れ
  総合成績  
1. L.アームストロング(アメリカ、USポスタル) 10時間35分14秒
2. ズベルディア(スペイン、ウスカルテル) 28秒遅れ
3. ハミルトン(アメリカ、USポスタル) 45分遅れ

 第4ステージはモンバントーのゴール。気温31℃、しかし頂上では18という気温差のこのステージを制したのは、アームストロングではなく、同じチームのハミルトンだった。 ハミルトンはゴール2キロ手前でアタックし、ツェーレを4秒離してゴールした。
「すべてのアタックをつぶす事が、僕の役目だったんだ。でも、ブリュイネル監督がランス(アームストロング)向きの日でないと知らせた。それで、最後は自分のチャンスを試す事が出来たんだ。」と、ハミルトンは語った。この日、アームストロングは1分13秒遅れの11位でゴールし、総合トップの座を失ってしまった。

  第4ステージ    
1. T.ハミルトン(アメリカ、USポスタル)  4時間21分26秒
2. ツェーレ(スイス、バネスト) 4秒遅れ
3. バンドウァウエル(ベルギー、ロト) 7秒遅れ
4. ボータース(アメリカ、クレディアグリコル) 9秒遅れ
5. キビレフ(カザフスタン、AG2r) 11秒遅れ
  総合成績  
1. ズベルディア(スペイン、ウスカルテル) 14時間57分22秒
2. ハミルトン(アメリカ、USポスタル) 3秒遅れ
3. アームストロング(アメリカ、USポスタル)  51秒遅れ

第5ステージ、昨日調子が悪かったアームストロングが再びリズムを取り戻し、チームメートのハミルトンのアシストに徹して、ワンツーフィニッシュを飾った。優勝したハミルトンは、「アームストロングがウスカルテルを牽制して、アタックをかけた時僕はすぐについていった。彼は信じられないテンポで上っていったよ。イヤホンで彼が、「ここで逃げるんだ」と言ったので、そのとおりにした。何メートルかして、うしろと差が開いたかと振り返ったら、同じジャージが見えたんだ。「ランスか?」ってラジオで聞いたくらいだよ。矢のように走るのを見たよ。ゴール手前の上りでついて行けなくなって、抑えてくれと頼んだくらいだ。今日のステージは彼のものだと言ったんだけど、彼曰く、すでにたくさんのステージ勝利を手に入れているから、いらないだって。彼は偉大なチャンピョンだ。彼が僕にくれたこの恩は、決して忘れないよ。7月、今度は僕がする番だ。」と、総合トップも手に入れて大喜びだった。

  第5ステージ  201Km  
1. T.ハミルトン(アメリカ、USポスタル)  5時間25分13秒
2. アームストロング(アメリカ、USポスタル) 同タイム
3. ベルブルック(ベルギー、ロト) 46秒遅れ
4. アルガン(フランス、ジャン・ドゥラトゥール)  46秒遅れ
5. モロー(フランス、フェスティナ) 47秒遅れ
  総合成績  
1. T.ハミルトン(アメリカ、USポスタル)  20時間22分38秒
2. ズベルディア(スペイン、ウスカルテル) 44秒遅れ
3. アームストロング(アメリカ、USポスタル) 48秒遅れ

 

第6ステージはテレビで中継されたので、実況バージョンです。

レース後半、ハイクラス級のイゾアー峠の5キロの上りを先頭で走るのは、クエスタ(スペイン、オンセ)。クエスタは雨で濡れた路面を一人で走る。ツェーレなどの主要選手がいる8人くらいのグループは、アームストロングが先頭で、総合トップのハミルトンをサポートしながら上る。アームストロングの調子がいいので、ハミルトンはついて行くのがやっと。

イゾアー峠頂上でコエスタとハミルトンたちのグループとの差は、3分39秒。頂上からゴールまでは約20キロ。雨よけのカッパを頂上で着て、ハミルトンたちのグループは山をくだる。

クエスタの後に、ラストラス(バネスト)がおり、そのあとにハミルトンたちのグループが続く。

落車のリスクを防ぐ為、アームストロングはスピードを抑え気味でくだっている。ハミルトンたちの集団は、17人となる。

ウスカルテルのジャージがオレンジになったので、AG2rと紛らわしい!集団はゴールまで12キロ。先頭のクエスタは、ゴールまで約7キロ。このまま一人で逃げ切れるか?3分52秒差と表示される。

クエスタは残り5キロ。下りが続く。ウスカテルのプラデラが集団からすこし飛び出した。

クエスタは残り3キロ、ゴールのブリアンソンの町に入る。今年のツール・ド・フランスのコースになっている町なので、雨にもかかわらず、観客が道に詰め掛けている。残り1キロだが、コースは上り。ダンシングで最後の力を振り絞っている。小さな門をくぐると、道が狭くなり、石畳のコースになる。もちろん上っている。雨で路面は濡れているし、これは大変だ!慎重に上り、ゴールを目指す。最後はうしろを振り向き、誰もいないことを確信してから、生まれた子供を祝って、ゆりかごポーズでゴールした。

総合トップのハミルトンは、2位のズベルディアとの差はあまり変わらず、総合優勝がほぼ確実となった。

  第6ステージ  218Km  
1. I.クエスタ(スペイン、オンセ)   
2. ラストラス(スペイン、バネスト) 19秒遅れ
3. ベルブルック(ベルギー、ロト) 3分31秒遅れ
4. プラデラ(ウスカルテル) 3分34秒遅れ
5. ベロキ(スペイン、フェスティナ) 3分43秒遅れ
  総合成績  
1. T.ハミルトン(アメリカ、USポスタル)   
2. ズベルディア(スペイン、ウスカルテル)  31秒遅れ
3. アームストロング(アメリカ、USポスタル)  36秒遅れ

 

 

 


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