le journal 0616

　16日パリで、7月3日から始まる今年のツール・ド・フランスに参加権があるチームと選手が発表された。昨年のドーピング発覚で、スポーツ界でダーティーなイメージがついたツール・ド・フランス。
　今年は、ドーピングに関する悪影響を一掃しようと、ツール・ド・フランスにとってイメージが悪い選手やチームが、除外される事になった。

　まず、現在ドーピングの疑いで、チームから停止処分中のフィリップ・ゴーモン(フランス、コフィディス)、ローラン・ルー(フランス、カジノ)の出場権が認められなかった。ちなみに、同じく、現在停止処分中のバンデンブルック(ベルギー、コフィディス)は、今年の始めからツールに参加する気はなかった為、出場はしない。

　次に、ＴＶＭチームが、主催者から除外された。昨年から主催者との不仲が言われていたＴＶＭ。理由としては、昨年のツールの時、ドーピングの疑いがかけられたＴＶＭは、エクスレバンの翌日のステージで、スイスからオランダへ逃げるようにして帰って行った事があげられた。

　この発表会見で、驚いたのが、ツール参加を熱望していたヴィランクに出場権が与えられなかった事である。昨年、フェスティナのチームの組織的ドーピングが発覚したにもかかわらず、ドーピングに関しては、ずっと否定してきたヴィランク。その後も、フェスティナの事情聴取が行われ、さらに逮捕された偽医師サインツと繋がりがあったと言う事で、違う事情聴取も行われている。このため、まだダーティーなイメージがついていると言う理由で、今回の出場権が得られなかった。

　昨年のツールで、真実を言ったフェスティナの選手たちは、6ヶ月の停止処分ですんだが、ヴィランクは99年ツールの出場権を失ってしまった。

　ヴィランクが参加出来ないなら、ポルティはツール参加を辞退すると言っていたポルティ社長。このため、ポルティがツールをボイコットする可能性もある。

　この他、オンセの監督マノロ・セイス、オンセのチームドクターもツールへの参加を拒否された。
　ジャラベール、パンターニは、ツールへの参加を自ら拒否。しかし、もしパンターニが出場を希望するなら、再検討するとの事。

　ツール主催会長ジャンクロード・キリー曰く、｢99年は、再建のツール・ド・フランス｡」若い選手のためのツールだそうだ。ツール・ド・フランスを心待ちにしている日本のファンにとっては、有名選手が少ない今年のツールだが、きっと何か今までにはなかったツール、新しいスターの誕生が見られるはずだ。　新世代の新しいツールを期待しよう！

参加できるチーム
マペイ　（イタリア）	ヴィタリッシオ　(スペイン)
ラボバンクバンク　（オランダ）	ドイツテレコム　(ドイツ)
オンセ　（スペイン）	クレディアグリコル　（フランス）
ポルティ　（イタリア）	フェスティナ　(フランス)
サエコ　(イタリア)	バネスト　(スペイン)
ロト　（ベルギー）	ヴィニカルディオーラ　(イタリア)
カジノ　(フランス)	ラ・フランセーズ・デジュ　(フランス)
メルカトーネ・ウノ　(イタリア)	USポスタル　(アメリカ)
ケルメ　(スペイン)	ビッグマット　(フランス)
コフィディス　(フランス)	ランプレ・ダイキン　(イタリア)
補欠チーム	（オレンジの5チームは、ワイルドカードで選ばれたチーム）
カンティナトロ　(イタリア)	その他は、1月時点のUCIポイント上位16チーム。
ホームジャック＆ジョーンズ　（デンマーク）	しかし、TVMの除外で、15チーム。
モビルベッタ　（イタリア）	レースは、1チーム9人の計180名で行われる。

有力選手

ゴッティー（イタリア、ポルティ）

ウルリッヒ（ドイツ、ドイツテレコム）

オラーノ（スペイン、オンセ）

トンコフ（ロシア、マペイ）

ボーヘルト（オランダ、ラボバンク）など・・・

　6月27日に行われるフランス選手権への参加申し込みをしなかったとして、ヴィランクは、今年のフランス選手権に参加資格なしと、16日フランス自転車競技連盟から発表された。この他同じ理由で、ジャッキー・デュラン(ロト)、ステファン・グベール(ポルティ)、ティエリー・ローラン(ロト)の参加権もない。
　しかし、16日夜のテレビでヴィランクは、｢申込書がチームに届いてないのに、どうやって申し込み出来るんだ。｣と言っていた。どうなっているんだろう？

　15日から始まったツール・ド・スイスに参加していたウルリッヒが、16日第1ステージを72キロ走ったところで、右膝の痛みのため、レースを棄権した。この膝の故障は、5月末のドイツ一周で落車が原因。総合優勝が期待されているウルリッヒだが、7月3日からのツール・ド・フランスに、果たして万全な調子で参加できるのであろうか？