SAMEDI 12 AOUT 2000 

 

【クラシック・サンセバスチャン】

ワールドカップ第7戦、クラシック・サンセバスチャンが雨の中行われた。
昨年は、カサグランデ(イタリア、ヴィニカルディローラ)が優勝した。出場するはずだったアームストロングは魚にあたったらしく、急きょ欠場となった。

ゴール30キロ手前のハイスキベルの峠頂上で、先頭を一人で逃げるオドリオゾラ(スペイン、バネスト)は、後続のデュフォー(スイス、サエコ)、エルベ(フランス、ポルティ)、エチェバリア(スペイン、オンセ)など10選手を19秒差はなして通過した。雨は止んでいるようだが、濡れた路面をザラベティア(スペイン、オンセ)が快走し、先頭のオドリオゾラに追いつくとすぐに引き離してしまう。

ゴール20キロ手前で、下りで遅れたオドリオゾラは追いつき、先頭は2人となる。しかし、後続との差は20秒しかない。

集団から、デッケー(オランダ、ラボバンク)、チミル(ベルギー、ロット)などの3選手が飛び出し、さらに3選手が追いつき、6選手で逃げる2人を追いかける。集団からマタン(ベルギー、コフィディス)がアタックし、一気に先頭へでた。後続グループは集団に吸収され、先頭はマタンが独走。残りあと8キロ。集団の選手は気が合わず、なかなかスピードが上がらない。
力強く走るマタンだったが、ゴール6キロ手前で吸収される。ゴール4キロ手前でベッリ(イタリア、ファッサボルトロ)がアタックするが、すぐに吸収。勝負はスプリントに持ち込まれそうだ。

ゴール2キロ手前から、マペイが集団の先頭を支配し始める。と同時に、今年のツール・ド・フランスで3勝し、一躍有名になったデッケーが、集団からひょいと飛び出す。そして、見る見るうちに差を広げ、集団はためらってしまったのか追いつくことなく、1キロ以上を逃げ切って単独でゴール。

結果は、1位デッケー、2位チミル、3位バインシュタイン 4位ベッティーニ、5位フレイレ。

【千穂のちょっとした話】
天気が悪かったので、走っている映像がなかなか見られませんでした。だから、「ん?誰が先頭?どういう展開?」と疑問の多い今日のレースでした。最後はてっきりスプリント勝負になると思っていたのに、見事にデッケーがやってくれました。230キロも走った後にこんなアタックが出来るとは、ちょっとヤバいんでないか?と疑問に思ってしまいますが、2位のチミルは「デッケーが強いのは確かだけれど、特に頭がいいんだ」と言ってました。マタンも強かったのにアタックをかけるのが早すぎたんですね。強いだけでは勝てないこの世界、やっぱりアタックのかけどころが勝敗のカギなんです。逃げ切れそうにない場面で、逃げ切ってしまうデッケーの走りは神業。こういう展開だと見ていても、力が入って面白いです。やっぱり、デッケーはゴール後にまた泣いていたのかな?

【ジャラベールはいずこへ】

現在オンセのローラン・ジャラベールは、ツール・ド・フランスのチームタイムトライアルでマイヨジョーヌを手に入れたが、その後の監督の戦略に不満を持ったようで、来季は他のチームへ移籍するらしい。今のところ、ボンジュールかコフィディスのフランスチームへの移籍が有力だ。エースを失うオンセは、今年のジロ・デ・イタリアで優勝したガルゼッリ(イタリア、メルカトーネウノ)獲得に乗り出しているもよう。

 


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