JEUDI 17 AOUT 2000 

 

【またもドーピング!しかし真相は…】

17日付けのフランスのスポーツ紙「レキップ」によると、オリンピック代表に選ばれていたE・マニュアン(フランス、ラ・フランセーズデジュ)が、ツール・ド・フランス期間中に行われたドーピング検査の結果、ドーピング薬物を使用していたことが判明した。
ツールの期間中行われた71選手の尿検査96検体のうち、43検体にドーピングの痕跡があったが、医師の処方箋を所持しており、ほとんどが免除された。しかし、マニュアンとまだ名前が発表されていない1選手だけは例外だった。

ツール・ド・フランス開始の3日前に花粉症の特効薬として使用したマニュアンの薬は、処方箋があってもUCIでは認められないものであったため、ドーピングということになった。マニュアンの場合、医師の処方箋も持っており、今年から義務づけられた選手各自の健康診断書にもきちんと記載されていたので、ドーピングをしているという自覚は全くなかったという。しかし、ドーピングとみなされてしまうのだ。
ドーピング薬を調べ尽くしてなかったための悲劇といえるだろう。
オリンピック出場が決定していたマニュアンだけに、このミスは残念というしかない。

【千穂のちょっとした話】
自転車界とドーピング。これは切っても切れない話ですが、98年のフェスティナ事件以来、ドーピングということに関して、選手たちはかなりナイーブになっていると思います。だから、実際のドーピングはほぼないといえるでしょう。しかし、ツール・ド・フランスのような過酷なレースでは、疲労回復の治療が必要です。
マニュアンのように花粉症の薬で、一般の私達には治療薬なのに、スポーツ選手にとってはドーピング薬になってしまうもの。これらを、ドーピングとみなすのか?
自転車界でドーピングと騒がれている薬は、本当にドーピング(つまり、不正行為)なのでしょうか?

無数にある薬の中で、どれがドーピング薬であるかを知るのはもちろんのこと、数あるドーピング薬のうち、処方箋があれば良いものと、あってもダメなものを知っていなければいけないこの世界。選手やチームドクターは大変ですね。マニュアンは本当にお気の毒です。
でも、この件で再びドーピングのあり方について論争されそうです。


過去のLe Journal

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