MARDI 12 SEPTEMBRE 2000 

 

 

【ヴェルタ・ア・エスパーニャ 第16ステージ】

16ステージは、ジジョンからラングリリュまでの168キロ。カテゴリー3級と2級が1つ、1級が2つ、そして最後に超級がある超難度の山岳コースだ。
どんなコースか見たい人はこちら⇒http://es.sports.yahoo.com/vuelta2k/stage16.html

午後2時前、まだやってないだろうと思いつつテレビをつけたら、もう中継していた。さすがは、ベルギーフラマンのテレビ。現在、数人が逃げいているが、また山は一つも越えていないため、集団はのんびりペース。山が始まるのは1時間後。(14時06分現在)

先頭は、ブロッシャール(フランス、ジャン・ドゥラトゥール)、ロンバルディ(ドイツ、ドイツテレコム)、ペタッキ(イタリア、ファッサボルトロ)などを含む13人のグループ。集団とは9分差開いている。集団は、おきまりでケルメが引く。先頭グループが第3カテゴリーの峠に入った。集団との差は10分以上開いている。こんなに飛ばしても、最後は吸収されてしまうのに…いよいよ、集団が3級の峠に入った。(14時40分現在)

先頭グループは2級の峠を通過した。集団は、上っているところ。先頭はゴールまであと67キロ地点を通過した。12分4秒差。集団はケルメが引いているが、まだまだ追いかける気はなさそうだ。集団は12分30秒遅れで、2級の峠を通過した。次の峠は、カテゴリー1級。平均6,43%で、最高11%だそうだ。(15時13分現在)

先頭はソトロンディオの町(59キロ手前)に入った。これから、上っていく。12分44秒差が開いている。エラスが集団の後ろのほうにいるからどうしたのかと思ったら、サコッシュをぶら下げている。これからの山に備えて、補給食を手に入れたようだ。昨日、落車したエルベの左足に、包帯がまかれている。ペタッキが先頭でのぼっているが、1級の峠となると、先頭グループはさすがに苦しそうだ。それでも、集団とは13分30秒差。(15時34分現在)

1級峠ののぼりに入るとケルメのパワー発揮。立ちこぎで、ぐんぐんスピードが上がる。集団は一気にばらけた。カセロ(スペイン、フェスティナ)はどこにいるんだろう?ヴィランクは、エラスの後ろにちゃっかりついている。先頭は頂上を通過した。あっ、カセロ発見。エラスの後ろについている。でも、フェスティナの選手は他にいなさそうだ。ケルメの加速で、エラスの集団は20人くらいになってしまった。多分エラスの集団にいたであろうベッリ(イタリア、ファッサボルトロ)が苦しそうだ。遅れをとっている。ケルメのスピードアップは、かなりきいているらしい。先頭との差は、10分を切った。(15時50分現在)

ベルトラン(スペイン、マペイ)の心拍数は178を打っている。9分50秒遅れで、エラスの集団が頂上を通過した。先頭は、ゴールまであと29、2キロ。9分52秒差が開いている。総合タイムの上位選手が逃げているわけではないから、ケルメも必死になって追う必要はないのだろう。先頭グループはこのまま逃げ切るのか?先頭は1級のコルダル峠に入った。(16時12分現在)

集団の先頭はエラスを含めケルメ6人。カセロには2人アシストがいるようだ。集団もコルダル峠に突入。また、ケルメが立ちこぎで、加速し始めた。オラーノ苦しい。オラーノも立ちこぎで追いかけるが、スピードはいまいち。集団はエスカルティン(スペイン、ケルメ)が引いている。集団はもうばらばらで、何がなんだか良くわからない。総合3位のI.ゴンザレスガルディアノ(スペイン、ヴィタリッチオ)はエラスから1分20秒も遅れている。どんどん差が開いて行く。ハンガーノックか?ライセカ(スペイン、ウスカルテル)が、ケルメ軍団に対してアタックをかけたが失敗。先頭グループは、頂上を通過した。I.ゴンザレスガルディアノ、今にも止まりそうだ。大丈夫か?(16時27分現在)

エラスのグループは11人になってしまった。エラスのアシストはエスカルティンとルビエラの2人のみ。カセロ、トンコフ、ベルトランなどもこのグループにいるもよう。8分10秒遅れで、頂上を通過した。山は霧がかかっているようだ。天気は良くない。良く見れば、所々路面が濡れている。先頭はいつしかディアスフスト(スペイン、オンセ)、シモニ(イタリア、ランプレ)、ルスカ(チェコ、ヴィタリッチオ)、ブロズィナ(ポーランド、バネスト)、ゲリカゴティア(スペイン、ウスカルテル)の5選手となり、もう最後の13キロののぼりに入った。さぁ、これからだ!(16時43分現在)

ヴィランクが映った。総合4位のS.ゴンザレスもいる。でも、これはどこのグループだろう?エラスのグループは9人。シモニが一人で先頭を走っている。カセロはエラスの後ろにピッタリいる。ヴィランクはこのグループではないようだ。先頭のシモニは、8キロ地点通過。エラスとの差は5分28秒。エスカルティンが加速し、エラスははピッタリついて行く。カセロは、ここで遅れをとった。前を走っていた選手が、どんどん抜かされる。エスカルティンとエラスについていけたのは、ライセカのみ。カセロ、苦しいか。(16時55分現在)

ちょっとした平らなところでカセロと数選手は追いついた。先頭のシモニ、かなりきつい坂を登っている。例の23、6%の坂だろうか?シモニのところは霧がかかって、前が見えない。後ろで、トンコフがアタック!これに、エラスがついて行く。もう、エスカルティンの姿は見えない。エスカルティンが映った!カセロといるようだ。しかし、カセロ阻止どころではなく、エスカルティン苦しそう。トンコフを抜いて、エラスが前に出た。トンコフ、もう付いて行けず。エラス、独走!少しよたりながら、23、6%の坂をのぼっていく。後ろからは、誰も追いかけてくる気配なし。カセロが映った!どれだけ離れているんだろう。先頭のシモニは5キロ地点通過。(17時03分現在)

シモニ、ゴールまであと少しだが、エラスの勢いのほうが勝っている。エラスは、逃げていたミチェリ(イタリア、アレッシオ)に追いついた。でも、またエラスは独走。カセロは、ルムサス(リトアニア、ファッサボルトロ)とエスカルティンと一緒にあがってくる。エラスとカセロの差は1分3秒。それにしてもすごい霧だ。(17時10分現在)

ディアスフストもエラスに抜かされた。ブロッシャールも、あっという間に後方へ下がっていく。エラスとシモニの間にいる選手は、あと何人いるんだろう。シモニ、またきつそうな坂をのぼっている。ゴールまであと2キロの地点を通過。エラスとの差は3分も開いているので、シモニのステージ優勝は、ほぼ決まっただろう。カセロは、一人で走っている。エラスとカセロの差は2分3秒。(17時17分現在)

シモニはゴールまであと2キロだから余裕かとおもいきや、まだまだ上りがきつい。シモニ、辛そうだ。一方エラスは、観客にぱちぱち背中をたたかれながら、のぼっていく。霧のせいで前が全く見えない。どこも、きつそうな勾配。お〜、今シモニが走っているところは、霧はあるが太陽がでて晴れている。やはり、山の天気はわからん。シモニ逃げ切り、日光を浴びて大喜びでゴールした。エラスの方の空は、またどんよりしている。苦しそうだ。ルスカがゴールに入ってきた。2分18秒遅れでゴール。エラス、晴れたところへ来た。ゴールまであとわずか。2分58秒遅れでゴール!さて、カセロは…(17時26分現在)

トンコフ、ライセカはゴールしたが、カセロはまだだ。ルムサスもゴールした。エスカルティンも来た。しかし、カセロは来ない。ヴィランクが来た。後ろにいるのは、カセロだ。トップから6分38秒遅れでゴール。カセロ、トップのエラスから3分以上差が開いてしまった。(17時30分現在)

  第16ステージ  
1. G.シモニ(イタリア、ランプレ) 4時間37分34秒  
2. J.ルスカ(チェコ、ヴィタリッチオ) 2分19秒遅れ
3. R.エラス(スペイン、ケルメ) 2分58秒遅れ
4. T.ブロズィナ(ポーランド、バネスト) 3分11秒遅れ
5. P.トンコフ(ロシア、マペイ) 4分27秒遅れ  
14. A.カセロ(スペイン、フェスティナ) 6分39秒遅れ  
  総合成績     
1. R.エラス(スペイン、ケルメ) 55時間49分53秒
2. A.カセロ(スペイン、フェスティナ) 3分41秒遅れ
3. P.トンコフ(ロシア、マペイ)  4分50秒遅れ
4. R.ルムサス(リトアニア、ファッサボルトロ)  6分37秒遅れ
5. S.ゴンザレス(スペイン、オンセ) 7分03秒遅れ
16. R.ヴィランク(フランス、ポルティ) 15分35秒遅れ
18. A.オラーノ(スペイン、オンセ) 15分54秒遅れ
42. A.ツェーレ(スイス、バネスト) 53分20秒遅れ

【千穂のちょっとした話】
今日のレースは、ドラマチックでした。みんなが苦しむ頂上への道は霧で真っ暗なのに、最後の数百メートル、ゴールへの道は快晴。地獄から天国へ抜け出たような、そんな今日のゴールでした。昨日まで3位だったI.ゴンザレスデガルディアノ(スペイン、ヴィタリッシオ)は、結局リタイアしてしまいました。エラスとカセロの差は、3分41秒。最終日に38キロのタイムトライアルがありますが、アクシデントがない限りエラスの総合優勝は決まったと言えるでしょう。明日は、平地コースです。ステージ優勝を狙って、逃げが決まるかな?


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