DIMANCHE 8 OCTOBRE 2000 

 

 

【パリ〜トゥール実況】 

ワールドカップ第9戦のパリ〜トゥールが254,5キロのコースで行われている。
現在ワールドカップのトップは、332ポイントでザベル(ドイツ、ドイツテレコム)、
2位に206ポイントでチミル(ベルギー、ロット)、3位にバインシュタイン(ラトニア、
ヴィニカルディローラ)だ。
W杯ポイントトップのザベル
(Photo:CHIHO)

 本日の天気はあいにくの雨。スタートして5キロでアタックしたシャバネル(フランス、ボンジュール)が一人で逃げている。シャバネルは先日行われたフランコ〜ベルジュで初優勝した21歳の若手選手。集団は雨のせいもあり、時速42キロほどで進んでいる。集団とは約20分、16キロくらい離れている。(15時47分現在)

 シャバネルは金髪で髪が短いので、パッと見はウルリッヒ系の顔だ。集団の時速は37キロ。あまり知られていない選手がトップなので今のところ誰も追うつもりはないらしい。それに、このレースに出場している選手の大半は来週の世界選手権に出場するので、あまり無理な走りはしないようだ。シャバネルの走っているところでは、雨は止んでいる。スタート時の気温は10℃。シャバネルはこの地方の出身なので、走りなれているようだ。ゴールまで66キロ。(16時13分現在)

 徐々に減っていく時間差を表示したバイクがシャバネルの横を走る。集団との差は17分から15分になった。トップと33分差があいたのを知った集団、特にラボバンクチームが加速したらしい。この加速で、50人くらいの集団ができた。ザベル、ウルリッヒは入っているが、チミルはこのグループにいないようだ。現在シャバネルと集団は12分25秒。シャバネルが捕まってしまうのも時間の問題だ。チミルは追いつき、集団から13選手のグループができているもよう。カメラがないのか、集団の映像は全く映らない。(16時27分現在)

 ボンジュールのベルナド監督が、シャバネルを励ます。補給食をもらう。ゴールまであと50キロ。シャバネルはさすがに疲れているようだ。ソレンセン(ラボバンク、デンマーク)、ナルデッロ(イタリア、マペイ)、ベッティーニ(イタリア、マペイ)、タフィ(イタリア、マペイ)、ザベル、ペタッチ(イタリア、ファッサボルトロ)、マタン(ベルギー、コフィディス)、チミル(ベルギー、ロット)、キルシプ(エストニア、AG2R)など13選手が、集団から1分10秒離している。そこから、マタン、タフィ、ベルブルック(ベルギー、ロット)の3選手がアタックした。シャバネルと3選手との差は2分22秒、それから2分37秒遅れて10選手が続く。(16時55分現在)

 10選手のグループから、スプルッシュ(ポーランド、ランプレ)がアタックする。これにベッティーニが反応。スピードが上がる。シャバネルを追いかける3選手グループにいるタフィがイタリア語で他の選手になにか言っている。でも、他の2人はベルギー人…。ソレンセン、ナルデッロがうしろでアタック。あ〜ぁ、ついにシャバネルがタフィのグループに吸収された。吸収する時に、タフィがシャバネルにお疲れさまと背中を押してあげる。それを見てアナウンサーは、「これはすばらしい!タフィはすばらしい」と絶叫。タフィは、カメラに向かってニッコリ。イタリア人らしいっすね。吸収されたシャバネルは3人についていたが、ほどなくして消えてしまった。先頭はタフィ、マッタン、ベルブルックの3選手。ソレンセン、チミル、キルシプー、ペタッチの4選手が先頭を追いかける。このグループに乗り遅れたザベルは、後方で必死にチミルの集団に追いつこうとしている。こういう天気の日は、キルシプーが有利だと私は思うのです。頑張れヤンヤン!(17時11分現在)

 ザベルは根性でチミルのグループに追いついた。コバンザメのようにザベルのうしろについていたスタンゲル(スロバキア、リキガス)も加わった。残り35キロ。タフィの3選手から24秒差で、チミル、ナルデッロ、ベッティーニ、スタンゲル。トップから39秒遅れで、ザベル含む5選手のグループが続く。アタック!先頭でタフィがアタックした。どんどん差が開いて行く。さっきからカメラに微笑んでいたので、調子は良さそうだ。チミルは、2人のマペイ選手が相手なので大変そうだ。ザベルのグループもお疲れ気味。マタン、ベルブルックが、チミルのグループに吸収された。チームメイトが増えたチミルはこれで、少し有利になったか?太陽が照り出した。ゴールまであと20キロ弱だ。(17時28分現在)

 ゴールまで16キロ。チミルのグループは、マペイが2人もいるので、いまいちうまく先頭交代してないようだ。ザベルを引き離し、W杯ポイントを稼ぎたいチミルは、少しイライラ。タフィとチミルのグループは1分1秒差、チミルから14秒遅れてザベルのグループ。日光が正面からあたり、タフィはまぶしそうだ。チミルとザベルの差は8秒。アタック〜!たまりかねたチミルがアタックした!ナルデッロがついて行く。そして、ザベルがやっとの事でこのグループに追いついた。しかし、チミルはもういない。このグループからソレンセンがアタック!ベッティーニがついて行く。やっぱり、マペイチームはすごい!逃げにすぐ反応している。これでは、アタックしても潰されてしまう。ナルデッロにピッタリうしろに付かれながらもチミルは、ザベルを引き離し、前のタフィに追いつくため必死に走る。タフィとチミルとの差は56秒。残り5キロ。(17時45分現在)

 ザベルも必死。マタンがついていたが力尽きてしまい、ザベル一人でチミルを目指す。マタンにキルシプーが追いついた。タフィ独走でゴール間近だ。1キロ手前の横断幕が見えた。タフィはカメラに向かって、投げキッス。ここからは直線だ。後方では、チミルが見える。しかし、もう追いつけない。両手を何度も上げて、シューズカバーをめくりあげて、十字を切りゴール!チミルはナルデッロと2位争いのスプリントだ。チミル先頭でゴール。ナルデッロ、大先輩のチミルにスプリントをかける気はなさそうだった。ザベルは11位でゴール。ところで、気になるW杯ポイント争いはと言うと、2位のチミルは110ポイントをゲットし、計316ポイント。11位のザベルは55ポイント稼ぎ、計387ポイント。ザベルがなんとかトップの座を守った。差は71ポイントなので、最終戦のジロ・デ・ロンバルディアが面白くなりそうだ。(18時現在)

【千穂のちょっとした話】
 今日のレース、5キロ地点でアタックしたシャバネルは容姿もいいし、昨年からプロ入りした若き21歳。これからの活躍が期待されるだけに、アナウンサーはかなりべた褒めしていました。今後の成長を見守りましょう。最後の展開でアナウンサーは、「アンドレア・タフィ」と「アンドレイ・チミル」を連呼。そのうちアンドレアとアンドレイがごちゃごちゃになって大変でした。なにも名前まで言わんでも…と見ていて思った私です。
 このレースで2年連続3位だったキルシプー、今年は9位に転落してしまいました。雨だからいけると思ったのにな〜。今日のレース、バルトリは出場していなかったので、来週の世界選でのバルトリVSチミル対決が楽しみです。

 


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