JEUDI 2 NOVEMBRE 2000 

 

 

【フェスティナ裁判 8日目】

 今日はFFC(フランス自転車競技連盟)会長のダニエル・バールが尋問され、90年にオリンピック委員会でドーピング薬物に指定されたEPOの存在を93年にFFCの会長になるまでは、ほとんど知らなかったと自分のドーピングに関する知識不足を認め、FFCの会長になってEPOの危険性を知って以来は、UCIが提案した血液検査に賛成したり、FFC独自の健康診断を実施したりアンチ・ドーピングには積極的に取り組んできた事を熱く語った。

 「自転車界がドーピングに冒されているのは確かだが、自転車界=ドーピングではない。EPOはフランスの自転車界だけの問題ではなく、スポーツ界全体の問題である。FFCは積極的にアンチドーピング対策をしているが、他のスポーツ連盟はほとんどしていない。私は93年からEPOと戦ってきたが、2000年になった今でも同じく戦っている。研究しても、未だEPOを見つける事は出来ない。」とアンチ・ドーピング対策の難しさを語った。そして、98年のフェスティナ事件以来EPOだけが注目されているが、EPOだけではなく、コルティコイドなど発見できる他のドーピング物質を徹底的になくすべきで、そのためには今の数日の形跡しか測る事の出来ない尿検査より、数ヶ月前からの形跡が分かる頭髪検査を導入するべきだと主張した。

 ツール・ド・フランスの主催者ジャンマリー・ルブランも尋問を受け、EPO問題は若者にも反映しており、積極的に取り組まなければならない問題だと話した。

【千穂のちょっとした話】
 今までで私が傍聴した中で、ダニエル・バール氏が一番ドーピングをどうにかしなければと言う姿勢が現れていました。プロ選手として経験もなく、ただ自転車が好きだという理由で、会長の座までのし上がってきたバール氏。今日の話で、彼がどのくらい自転車を愛しているのかと言うの事がよく分かりました。EPOの知識がなかったのも、あまりにも自転車好きでいい所しか見ていなかったからではないでしょうか。自転車マニアチックなバール氏ですが、プロ選手の部屋には1度しか入った事がないと言っていました。FFCの会長といえども、選手との親密な関係はないみたいです。会長になる前は、地元の子供達に自転車を教えていただけあり、EPOの危険性を知ってからは、積極的にドーピングと戦ってきましたが、いろいろアンチドーピングの策を練っても、所詮FFC、フランスの自転車競技界だけにしか反映されないのが現実のようです。


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