MARDI 10 JUILLET 2001 

【第3ステージ】

第3ステージは、ベルギーのアントワープよりスタート。ベルギーにやって来たツール・ド・フランスを一目見ようと今日も凄まじい数の観客が沿道に立っている。出走前、遠くから歓声が沸き立ち、マイヨジョーヌのウォーテースがやって来るのがすぐに分かるほどだ。曇り空だった天気はいつしか晴れて暖かい。でも、今日も風は強いようだ。今日のコースは、ゴール35キロ手前から連続してカテゴリー3級の峠が3つも連なる。この峠が、今日のレースを狂わせることになるとは…。

レースは、22キロでモロー(フランス、フェスティナ)、L.ジャラベール(フランス、CSCティスカリ)、オグレディ(オーストラリア、クレディアグリコル)など19選手の逃げグループができる。一時は1分5秒離れたが、USポスタルやドイツテレコムが必死に追いかけ、逃げた大半の選手を吸収、吸収されずに逃げた選手も、結局は捕まってしまった。前半からアタックがかかったので、今日もスピードは速い。このツール独特の息もつけぬハイスピードレースに、カサグランデ(イタリア、ファッサボルトロ)は、ついて行けず。ツール前に胃腸不良で食事も十分に取られなかったカサグランデにとって、このレースはきつすぎるようだ。

わずかなチャンスを狙って、N.ジャラベール(フランス、CSCティスカリ)とF.ゲドン(フランス、ラ・フランセーズデジュ)が、補給地点を過ぎた95キロ地点で飛び出した。集団との差が2分開く。マイヨジョーヌ擁するラボバンクが集団をコントロールし、最初の峠に入った。頂上手前で、ベティーニ(イタリア、マペイ)とフェルブルッヘ(ベルギー、ロト)が集団からアタック!集団は28秒遅れて、頂上を通過した。集団は先頭を吸収し、サルモン(フランス、AG2r)が先頭で2つ目の峠を越えた。

ゴール20キロ手前、3つ目の峠に入ると、マイヨジョーヌのウォーテースは遅れ始め、あっという間に42秒の差が開いた。先頭のセラノ(スペイン、オンセ)とタウレー(スペイン、ケルメ)を追って、かなり人数の減った集団をテレコムがゴールまで誘導し、スプリント勝負に持ち込む。ヴィノクロフが、スプリンターザベルのために先頭を引きつづけ、力尽き後退したとたんに、3番手についていたザベルが加速。他の選手は止まったような勢いだ。と言うのもこのゴールまでの直線、実は坂。平地じゃなかったのだ。それでも、ザベルがぐんぐん伸び、それを追ってマニュアン(フランス、ラ・フランセーズデジュ)が行くが、ベテランスプリンターのザベルにはかなわず、第1ステージに続き、2度目のステージ優勝を手に入れた。ウォーテースは1日だけのマイヨジョーヌとなってしまい、明日からはオグレディのものとなった。マイヨジョーヌのオグレディは、「昨日、マイヨジョーヌだと思って、逃げていたんだ。一緒に逃げていたウォーテースがこんなにいい総合タイムだったとは知らなかったから、マイヨジョーヌが彼のものだと知ってショックだった。昨日は夜もまともに寝られなかったんだ。でも、今朝は気持ちを切り替えて、今日こそと思って走った。昨日逃したマイヨジョーヌを手に入れられて、本当にうれしいよ。チームタイムトライアルの日まで守り抜きたいね」

第3ステージ成績
1.E・ザベル(ドイツ、ドイツテレコム)         4時間34分32秒
2.E・マニュアン(フランス、ラ・フランセーズデジュ)   同タイム
3.S・ガルゼッリ(イタリア、マペイ)             同タイム
4.F・バルダート(イタリア、ファッサボルトロ)       同タイム
5.F・シモン(フランス、ボンジュール)           同タイム

総合成績
1.S・オグレディ(オーストラリア、クレディアグリコル) 14時間14分59秒
2.C・モロー(フランス、フェスティナ)           17秒遅れ 
3.R・フェルブルッヘ(ベルギー、ロト)            18秒遅れ
4.
J・フォイクト(ドイツ、クレディアグリコル)         20秒遅れ
5.
I・ゴンサレスデガルデアノ(スペイン、オンセ)      20秒遅れ

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【千穂のちょっとした話】
今日は、カメラマンと別行動でゴールに直行しました。しかし…ついてないよぉ(泣)。スペイン人の知り合いのプレスの人に連れて行ってもらうことになったのですが、そのおじさんどこに車を置いたのか分からなくなって、30分ほど散歩をする羽目に…やっと見つけて、ゴールに直行し選手たちが到着する3時間前に着きました。今日はカメラマン車じゃないので、疲れも半減。明日もカメラマンとは別行動で、クレディリヨネの取材をしてきます。明日はレース観戦できないかも?


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