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【第10ステージ】
今日は久しぶりの晴れだ!エクスレバンからラルプディエズまで、209キロの熱き戦いが行われる山岳ステージ。今年は、スタートして6キロで、ルー(フランス、ジャン・ドゥラトゥール)とE・ヒメネス(スペイン、i.バネスト.com)、タウレー(スペイン、ケルメ)、3選手のアタックがすでに決まった。中盤から3つのハイクラスの峠を越えなければならないにもかかわらず、先頭の3選手は、ハイスピードで進む。87キロ地点の補給地点で、集団と13分以上の差を広げた。標高2000m、最初のマドレーヌ峠でタウレーが遅れをとり、先頭は2人となる。小さくなり、有力選手だけに絞られた集団は、ドイツテレコム勢が引き、ウルリッヒは余裕でマドレーヌ峠を上る。その集団の後方に、必死でついて行くシモンの姿があった。現在マイヨジョーヌのオグレディは、かなり後を走っているので、総合2位のシモンは、アームストロングなど有力選手たちに、30分以上離されなえれば、マイヨジョーヌを手に入れることができる。なんとしてでも、このグループでゴールまで行きたいところだ。
2つ目のハイクラスの峠、グランドン峠でヒメネスが遅れ、先頭はルーのみとなり、山が得意なルーは快調に進む。この峠で、シモンがウルリッヒ&アームストロングの集団から、遅れを取った。峠を集団から2分遅れで通過。しかし、シモンは下りに強かった。下りでグイグイ追い上げ、遅れを取りし戻して、集団に復帰した。
残るは最後の峠、標高1850m、21カーブの上りを14キロ駆け上るラルプデュエズである。フランス、オランダ、デンマーク、ベルギー、アメリカ各国の旗とすごい数の人々でコースは埋め尽くされている。ルーが先頭で、ラルプデュエズを上り始めた。ウルリッヒは、チームメイトに守られ上り始める。しかし、アームストロンのアシストであるルビエラ(スペイン、USポスタル)が加速すると、アームストロングにエンジンがかかった。足を全開に回し、顔色一つ変えずに上っていく姿に、昨年オタカムでのアタック姿が重なり合う。コース横のキャンピングカーに設置された携帯テレビには人が集まり、アームストロングの強烈なアタックに「そんなはずはない、ウルリッヒはどうしてるんだ!モローは?ジャラベールは?このままでは…」と落胆気味。先頭を走っていたルーも、けた外れのアームストロングの速さに太刀打ちできず、ゴール6キロ手前であっという間に追いぬかされてしまった。火のついたアームストロングは、止まることなく走りつづけ、2位ウルリッヒと2分近い差をつけて、王者の力を見せつけた。
アームストロングから10分20秒の遅れを取ったが、なんとか集団に食いついたシモンが、マイヨジョーヌを獲得した。「ラルプデュエズで、マイヨジョーヌを着られるなんて、最高にうれしいよ」と、18年前には兄であるパスカル・シモンが着たマイヨジョーヌを弟シモンも手に入れた。
明日は、上りの個人タイムトライアル。ここで、ウルリッヒ意地を見せるか?それとも、アームストロングが余裕で逃げ切るのか?明日のタイムトライアルは、見逃せない。
第10ステージ 1.L・アームストロング(アメリカ、USポスタル) 6時間23分47秒 2.J・ウルリッヒ(ドイツ、ドイツテレコム) 1分59秒遅れ 3.J・ベロキ(スペイン、オンセ) 2分9秒遅れ 4.C・モロー(フランス、フェスティナ) 2分30秒遅れ 5.O・セヴィリャ(スペイン、ケルメ) 2分54秒遅れ 総合成績 1.F・シモン(フランス、ボンジュール) 45時間34分09秒2.A・キビレフ(カザフスタン、コフィディス) 11分54秒遅れ 3.S・オグレディ(オーストラリア、クレディアグリコル) 18分10秒遅れ 4.L・アームストロング(アメリカ、USポスタル) 20分07秒遅れ 5.J・ベロキ(スペイン、オンセ) 21分42秒遅れ 6.C・モロー(フランス、フェスティナ) 22分21秒遅れ 7.J・ウルリッヒ(ドイツ、ドイツテレコム) 22分41秒遅れ 14.L・ジャラベール(フランス、CSCティスカリ) 28分06秒遅れ |
前半逃げたエラウディオ・ヒメネス。 24分18秒遅れでゴールした。 |
【千穂のちょっとした話】
時間がないので、コメントは少なめに…。今日は、マドレーヌと最後のラルプ・デュエズで見てました。今日は、キルシプーの誕生日。レース前にコメントを取りに走りまわったのですが、時間がなくってインタビューできず。予想通り、ハイクラスの峠越えはできず、キルシプーの今年のツールは終わってしまいました。
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