【雨のオタカム、オチォアが制す】

 33キロ地点で、デュラン(フランス、ロット)がアタック。50キロ地点で、オチョア(スペイン、ケルメ)とマッタン(ベルギー、コフィディス)が追いつく。マリー・ブランクの峠頂上では、オチョアが先頭で、32秒遅れでマッタン、4分10秒遅れでデュランが通過した。マッタンとオチョアはその後一緒に先頭を走るが、ゴール46,5キロ手前のオービスク峠でオチョアがマッタンに4分5秒の差をつける。
 集団では、エスカルティン(スペイン、ケルメ)とヴィランク(フランス、ポルティ)がアタックをかけ、頂上を先頭から10分30秒遅れ、アームストロングの集団は11分35秒遅れで通過した。

 ゴール12キロ手前の最後の山オタカムに入ると、ツェーレ(スイス、バネスト)がアタック。アームストロングがついて行く。アームストロングはそのまま加速し、前いにいたヴィランクのグループを捕まえる。アームストロングは、その後も加速し、ヒメネスだけがついて行った。しかし、アームストロングも先頭を走りつづけるオチョアには追いつけず、オチョアがステージ優勝を手にした。

 2位に入ったアームストロングは、このステージでマイヨジョーヌを手に入れた。

 総合は、ヴィランクが6分59秒遅れの11位、パンターニが10分34秒遅れの25位。

  第9ステージ            ダックス〜ルルド・オタカム 205km 
1. オチョア(スペイン、ケルメ) 6時間9分32秒
2. アームストロング(アメリカ、USポスタル)     42秒遅れ
3. ヒメネス(スペイン、バネスト) 1分13秒遅れ
4. ヴィランク(フランス、ポルティ)    1分57秒遅れ
5. ベルトラン(スペイン、マペイ) 1分57秒遅れ
  総合成績  
1. アームストロング(アメリカ、USポスタル) 39時間24分30秒
2. ウルリッヒ(ドイツ、ドイツテレコム)      4分14秒遅れ
3. モロー(フランス、フェスティナ)           5分10秒遅れ
4. ワウテルス(ベルギー、ラボバンク) 5分18秒遅れ
5. ルッテンベルゲー(オーストラリア、オンセ) 5分21秒遅れ

 

【CHIHOのちょっとした話】
 朝からあいにくの雨でした。9時45分、ルルドからアルジェレスガゾースト行きのバスに乗り、ガゾーストから歩いてオタカムへ行きました。雨の中約18キロの道をひたすら歩く、歩く!白い息が出るくらいの気温で、歩いていると暑いのですが、休憩すると体が凍えてしまい、適度な休憩を取って歩きました。雨も絶えず降っているので、カッパも中までびしょびしょ。さぶい〜っ。約4時間かけて、ゴール3キロ地点へ行くと、車で観戦に来ていた日本人の方々に会いました。山なので、もっとたくさんの日本人に会えるかと思っていたのですが、アルプスからの観戦者が多いようで、ピレネーではあまり見かけませんでした。その人たちといろんなグッズを配ってくれるキャラバン隊の通過を一緒に見て、そのあと私はゴールを逆行し、ちょっと下って上りのカーブの所へ。その頃には、もう集団はオタカムを上がる所で、近くにいたスペイン人は大騒ぎ。先頭はオチョアだとキャンピングカーに設置されたテレビを見ながら、みんな大興奮。しかし、後方ではアームストロングがアタックしたもよう。
 ここを最初に通過するのは誰なのか?

 オートバイに先導されて来たのは、ケルメのジャージを来たオチョアでした。そして、その後なかなか来ないっ。これは、逃げが決まったか?そう思えるくらいの差が十分開いていました。やっとアームストロングが先頭で、うしろにはヒメネスがピッタリとついてやってきました。そのあと、モローを先頭にツェーレなどが走っていくのですが、肝心のパンターニやウルリッヒの姿がない!ウルリッヒは数人の集団で、パンターニはずいぶん遅れて一人でやってきました。

 多くの選手たちが通過したので、私はプレスセンターを目指して、最後の3キロを歩きはじめました。再び歩きだすと、もうすでに足腰が…。みんなが下っていく中、上っていくのはかなり大変。約1キロ歩いたら、ちょうど最後の選手が通過する所で、よく見たらなんと先日落車したゲドンが…。「ゲド〜ン」つい叫んでしまいました。そのうしろに、AG2rの車がついていたので、運良く乗せてもらい、残り2キロはゲドンの少し後ろについて車で走行。ゴールからは、あと数分でタイムアウトとのアナウンスが。ゴールめざし、一人最後の力を絞って上るゲドンを見ながら、なんとかタイムアウトだけは免れて欲しいと思わずにいられませんでした。

 最後ゴールラインで、1人なのにスプリントをしたゲドン。プレスセンターに着き結果を見たところ、46分51秒遅れでなんとかタイムアウトは免れました。ゴールをしたにもかかわらず、リタイアになってツールを去る選手が、一番見ていてかわいそうです。ゲドンはそうならなくて、よかったぁ。

 それにしても、濡れた靴をはいてるから寒いよう!早く、お風呂に入りたいっ。


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